夜通し車で移動するとか、
後ろの席の毛布がふわふわで、しかも好きな色だから嬉しいとか、
ちょっとだけ窓を開けて細く冷たい風をおでこの生え際に当てるとか、
ママは私が起きてるって知ってるけど特に話さなさいとか、
体は少し痛いとか、
その時の感じに早くなりたい。
良い天気の良い朝の団地はとても良いけど、
それがずっと続かないのを知ってるから悲しい。
どこかに出かけなきゃって思ってしまうのが億劫だ。
ずっとここにいたいと思う私の居場所はいつ見つかるんだろう。
戻ろう戻ろうと思っていたけど、もう戻っても戻れないって分かったし。
両親のそばでニコニコと子供みたいな顔をしてみても、
あなたは何者なの、って言われるのは避けられないし。
じゃあ自分で自分の居心地の良い存在になるしかない。
気持ちの良い毛布があって、裸足の、色がたくさんある日当たりの良い小さい部屋を