ジリリリリ。枕元に1、2m程の段差があって、ライトや目覚まし時計を置いている。煩く鳴る目覚まし時計をはたく力が少し強すぎて手の届かない向こう側までいってしまった。仕方なくドアから自室を出て螺旋階段でまた自室に入り、目覚まし時計を止める。段差を降りるときは横着してベッドに飛び降りる。

部屋から身を乗り出して下の階をちらりとみる、リサがキッチンを使っているのが見えたからもう少し時間を置いてから降りていって朝ご飯の準備をしよう。

隣の部屋のヒミの毛布がドアからはみ出ている。部屋の開口のすぐ前にベッドを置いているみたいだが、たまに毛布は見えても寝姿は見えたことがない。

起きよう。顔を洗って目を覚まさなければ。もう一度螺旋階段を登って少しの廊下のようになっているところを歩き、洗面所へ。この棚で埋め尽くされた部屋のドアの一つが洗面所のドアである。棚の一つ、自分の日用品が閉まってある棚からタオル、着替えを取ってシャワーを浴びる。シャワーを浴びて、ランチを食べながら読もうと思っていた本を棚で見つけて手に取る。そういえばいつもはどこかしら棚のドアがだらしなく開いているが今日はほとんど閉まっている。こうしてみると図書館か何かのようだな。

PCと本を持って下のキッチンへ。階段を降りると大きなドアで一番下の段が塞がっている。ドアの向こう側ではカナが日にあたりながら本を読んでいる。/ 部屋のドアが開けっぱなしということはまだ家にいるんだな。2段飛ばして横からジャンプして降りる。

ああ、コーヒーカップとシリアルのボウルが出しっぱなしで放置してある。このマグカップはトムくんのだ。ずいぶん大胆にこぼれたコーヒーがテーブルにシミを作っていて、完全に乾いてるから拭いてもなかなか取れない。ずいぶん早く家を出たんだな。急いでいたようだから今回は食器を洗っておいてあげよう。

キッチンに自分の他に誰もいないときは、大きなテーブルに一人で座っているのがなんだか淋しくて、いつもキッチンシンクの横にpcを持ってきて作業してしまう癖がある。コーヒーを淹れながらメールをチェック。朝ご飯を食べてさっと食器を洗ってしまおう。pcに水を飛ばさないように。

あ、やっぱりいたのねカナ。おはよう。昨日クッキーを作りすぎたからよかったら食べてね。冷蔵庫のピンクのボウルに入ってる。そっちのトイレットペーパー切れたの?いいよ取ってくるからちょっと待ってて。うん、昨日サムが新しいパッケージ買ってきたから今いっぱいあるし。今度でいいよ、キッチンのテーブルの私がよく座ってる席のところに置いておいて。

 

イヤリング?私のじゃないな。私そこのソファ使わないもん。リサの部屋の壁に近いから前にそこで友達と電話してたらうるさいって言われたんだよね。